『キャプテン スターワン』 (CAPTAIN STARONE)は、謎の生命体と戦うキャプテンONEとなり、宇宙の平和を守るために戦って戦って戦って、そして戦うゲームです。
ひと言でいってしまえばRPGのレベル上げだけ抽出して濃く煮詰めたような、作業作業にまた作業というタイプの(クリッカー系)ゲームですが、ハマると本当に止めどきを失ってしまいます。
なぜ人は労働から解き放たれたいと思いつつも、生きるために不要な作業にこれほど没頭してしまうのでしょうか。
キャラを育成したり装備を改良して強い敵を討つ!
キャプテンスターワンは、基本的には放置系のゲームなので、放っておいても主人公たちが勝手に謎の生命体(エネミー)を攻撃、撃破してくれます。
ゲーム開始当初から操作せずともキャプテンONEがエネミーを倒していくので、このタイプのゲームに慣れない人だと最初が一番戸惑ってしまうかもしれません。ちなみにエネミー側から攻撃してくることは無いので、そもそも主人公たちには体力設定すらありません。
攻撃してこないエネミーを大量殺戮していく主人公たち……どちらが宇宙の平和を乱しているのか、強まる疑問は置いといて先へ進みます。
エネミーは序盤のステージこそ貧弱ですが、次第に体力が多くて固いエネミーが増えてきます。
そんなときは、敵を倒して得たミネラル(経験値のようなもの)を使って、キャプテンONEのレベルを上げて育てることで対処できるようになります。
ゲームは1つのステージにつき何体かのエネミー(通常は10体)を倒すとボスのエネミーが出現し、ボスエネミーを倒すと次のステージへ進めます。
ボスエネミーは倒すまでの制限時間が設けられていて、これがこのゲームのキモになっています。
雑魚エネミーは制限時間無しで、前述のとおり攻撃してくることもありませんから、時間さえかければゲームを放置していても勝手にキャプテンONEたちが撃破してくれます。
しかし、ボスエネミーは制限時間内に倒さないと隠れてしまい、以後はZRボタンでボスと対戦する意志を示さない限り、同じステージで延々と雑魚エネミーを相手にしなければなりません。
そのため、雑魚エネミーを倒してミネラルを回収し、それを振り分けてもろもろ強化することによって、ボスを倒して次のステージへ進むという流れが、このゲームの基本的な流れになります。
成長させる要素がてんこ盛り
『キャプテンスターワン』のエネミーは、先のステージへ進むほど次第に強いエネミーばかりになっていきます。キャプテンONEのレベルを上げることである程度の対処はできますが、いつまでもキャプテンのみでは次第に戦いが厳しくなってきますし、宇宙を独り旅するのは寂しいですし、なにより名称が「キャプテン」なのに自分だけなのは意味不明です。
やはりここは多数で強力して敵を倒したいところ。そんなときは、宇宙船でコールドスリープしている仲間のクルーを起こす(コールドスリープから起こすのも敵を倒して獲得したミネラルが必要)ことで一緒にエネミーと戦ってもらえるようになります。
コールドスリープから起きたクルーもまた、それぞれをミネラルによってレベルアップすることが可能です。レベルアップすれば、クルーそれぞれスキルを覚えていくため、隊全体の戦力アップが図れます。
コールドスリープから目覚めたクルーが増えるほど、画面は賑やかになっていきます。クルー同士の相性設定もあるため、近くに置いてあげるとそれぞれより能力を発揮するクルーも。
攻撃してこない1体のエネミーを、よってたかって複数人で大量殺戮していく主人公たち……どちらが宇宙の平和を乱しているのか、強まる疑問は置いといて先へ進みます。
育成要素はクルーに留まらず、クルーが乗って冒険する宇宙船(マザーシップ)もミネラルを利用することで様々な機能が使えるようになります。
たとえばマザーシップ砲を使えるようにしておけば、ボスエネミー戦で制限時間ギリギリになってきたとき、砲撃一発で葬ることも可能に。
エネミーはミネラルだけではなく、たまにバッテリーを落とすこともあります。落としたバッテリーはショップでお金のように使えるので、たとえばスキルポイントを購入してキャプテンONEのスキルを成長させることもできます。
スキルアップすると、クルー各々のレベルアップよりも効果的に戦力増強が図れることもあります。
他にも敵が落とすアイテムを収集したり、ハイパーコアを開発したり、育成できる要素がてんこ盛り。
最初からこれら全てを把握しようとすると分かりにくいですが『キャプテン スターワン』ではゲームを進めるうち次第にアンロックされていくので、その心配はありません。
プレイヤーが干渉することで効率的な育成が可能
『キャプテンスターワン』は放置系ゲームなので、各クルーのレベルアップなどで操作する以外、エネミーとの戦闘は基本的に放っておいても勝手に進みます。そのため、アクションゲームが下手な人でも全く問題なく遊ぶことができます。
とはいえ、エネミーとの戦いでは「↑ボタンを押せ」「Xボタンを押せ」などの指示がちょくちょく出るので、それに合わせて操作することでクルーコンボを発動して派手に楽しむことも可能。クルーコンボで攻撃すれば、通常より大きなダメージを与えることができるため、特にボス戦ではついついボタンを操作してしまいます。
そしてクルーコンボは使うごとに画面右の青いコンボゲージが溜まり、満タンになればコンボフィーバーが起こります。このフィーバーが起こるタイミングをうまくボス戦にもってくることで、より攻略が容易になるメリットがあります。
『キャプテンスターワン』では、上で触れたコンボの他にも、突然現れるUFOに触れることでアイテムをもらえたり、アイテムを落とす確率の上がるフィーバータイムが発生するなど(フィーバータイム発生中はBボタン連打で普段よりミネラルが多くたまる)、プレイヤーが干渉することによって、より効率的にクルーたちを育成できる仕組みが盛り込まれています。
そのため「放置系」と名付けられてはいても、延々と画面を見続けてしまいます。
特にUFOはお得なアイテムを持ってくることが多いので、現れるときの効果音を耳にしてしまえば、画面から離れていても「おっと!」という感じでついつい『キャプテンスターワン』の世界へ引き戻されてしまうんですよね。
プレイヤーを育成のサイクルに乗せる手際が絶妙
『キャプテン スターワン』は、これまで触れたようにキャプテンONEを含めたクルーや宇宙船をパワーアップしていくことによって、広大な宇宙のどこまで進むことができるか挑戦するゲームです。
後半、加速度的に強くなっていく敵に対して、様々なパワーアップ要素を駆使し、こちらも戦力をかけ算的に強化していくことによって、挑戦・克服していく面白さがあります。
そして何よりこのゲームが秀逸だと感じるのは、「次にこれをやって」「その次にこれを育てて」……という作業のサイクルが延々と、しかもトランス的に心地良くなる絶妙な案配で用意されている点です。ここはゲームシステム的に、本当によくできているなと思わされました。
プレイ中、あえて狙ったであろうちょいダサ歌謡曲風のBGM1曲が延々と流れ続けるのは、他のタイプのゲームであれば短所以外の何ものでもありません。が、このゲームの場合はボス戦やステージが変わるごとにBGMが変化しないことが、グルグルと不思議な高揚感をもたらしています。
キャプテンスターワン、「もうこのBGM止めて!」「アタマがおかしくなるー!」「もう十分です!」と叫びながら、まだまだプレイしてしまう困った魅力があるタイトルです。
あなたも一緒に、宇宙を延々とワープしてアタマおかしくなりませんか。