デビル メイ クライ 5 (Devil May Cry 5)【感想・レビュー】

レビュー・感想

ナンバリングタイトルでは前作『4』から約11年ぶりにリリースされた、スタイリッシュアクションシリーズ最新作『デビル メイ クライ 5 (Devil May Cry 5)』。かなり久しぶりの新作だったので、実際にプレイするまではどう感じるか不安もありました。

しかし、いざ始めてみればストーリー面でもシステム面でも正統進化のシリーズ集大成的な内容で、杞憂。遊んで楽しいワクワクな作品に仕上がっていました。

プレイヤーが操作できるキャラは3人

今回の『デビル メイ クライ 5』でプレイヤーが操作できるのは、ネロ、ダンテ、そしてVの3人。基本的には各ミッションごとに操作できるキャラが決まっています。

そのため、好きなキャラを選択してミッションクリアを目指すのではなく、ストーリーの展開に応じてプレイヤーキャラが入れ替わり、異なる視点・操作方法でゲームが展開することになります。(一部のミッションを除く)

それぞれのキャラクターが個性的で、使える技も各々超多様。ということで、基本的なボタン配列などは共通でも、プレイスタイルはかなり異なるものになります。初回プレイ時には、ちょっと戸惑うボリュームです。

ですが、今回のDMC5はアクションゲームが苦手な人やシリーズ初心者に対するフォローも至れり尽くせりなので、操作キャラが3人だからといって難しくてゲームを進めにくいという弊害はほとんどありません。

3人のプレイアブルキャラの中では、前作までに登場していたネロ、ダンテはなんとかなるとして、実際にプレイするまではグリフォン、シャドウ、ナイトメアという3体もの魔獣を使役するVの操作が一番難しいのかなと思っていました。しかし実際はボタン連打していれば勝手に戦ってくれる魔獣が優秀で、Vが一番楽だったかな(笑)。

他の2人が直接にガンガン攻撃するところ、Vは魔獣に攻撃させてとどめの一撃だけ担当するので、ゲームのテンポも転調するVのミッションを挟むことでフラットにならず済んでいます。戦闘中に本を読みながらうろうろするV、なかなかにシュールで見た目的にも楽しめますね。

ネロのほうは右手に装備するデビルブレイカーをプレイ中に切り替えていくことで、状況に応じた多彩な攻撃を繰り出すことができます。

デビルブレイカーはミッション途中でも拾って追加したり、ボス戦の手前でニコを呼び出して購入することもできるので、「ここぞ」というときのボス対策に取っておかずともザコ敵が相手のときから使い捨て感覚でガンガン活用できるのは爽快です。とにかく「爽快」なのもDMCシリーズの良いところ。

基本的な操作方法はチュートリアルで確認可能

ゲーム開始時点で選択できる難易度は、イージーに該当するHUMANとノーマルに該当するDEVIL HUNTERの2つです。アクションが苦手な人やDMCシリーズ未経験者なら難易度をHUMANにしておけば、敵の挙動がそれほどトリッキーではなく攻撃力も弱めなので、力押しでもなんとかなります。

また、ゲーム序盤はチュートリアルも表示されるので、基本的な操作方法はこれを確認することで把握可能です。

どうしても敵との戦闘が苦手なときは、メニューからTHE VOIDに立ち寄って、技の確認や敵の攻撃回避のタイミングを練習すると、本編を進めるのが一気に楽になります。

THE VOIDでは敵の攻撃の有無を選べるので、プレイヤーキャラの技やデビルブレイカーの効果を確認するとき、また技同士の繋がり(コンボ)を見極めるときには敵の攻撃を「無し」に、回避したり敵の攻撃を打ち消したりするタイミングの練習なら敵の攻撃を「有り」にしてしばらく練習すれば、だいぶコントロール方法が見えてくるはず。

あまりアクションゲームをプレイしない人なら、ネロの場合は最低限R1+〇のワイヤースナッチを使って少し離れた敵をワイヤーで引き寄せる操作、および敵の攻撃に合わせてR1+左スティック+×でのサイドロールを早めから瞬時に出せるようにしておくと、敵との戦闘で単なるボタン連打に陥らず苦戦することが少なくなると思います。

あとTHE VOIDでは技を連携させていくことでスタイリッシュランクも表示されるので、どんな戦い方をすればよりスタイリッシュだと評価されるのか確認する用途にも便利です。

5まで積み上がったシリーズ作品であることから、デビルメイクライシリーズ未経験者ほど、後で触れますが各キャラクターが持つ多様すぎる技(スキル)の数々にゲーム序盤から面食らってしまうかも。

そんなときにも、THE VOIDで1つ1つ技を確認することで、ボタン連打の勢いだけではどうにもならない状況に陥った際の状況打破にも役立ちます。クリアするために全ての技(スキル)を覚える必要は全然ないので、自分が使いやすい技から1つずつ、次第にレパートリーを増やしていけばそれだけでこのゲームの楽しさ倍増です。

それでもどうにもならなければ、最終的にはオートマチックアシスト機能を使うことで、ボタン1つで多彩な技を自動的に繰り出すことができるので、「購入したけど操作が難しくて先へ進めない」といった事態には陥りません。

マップ探索では仕掛けやパズルは少なめ

『デビル メイ クライ 5』では、グラフィックは陰影や水の表現など、期待以上に綺麗な世界が広がっていました。視点はカメラ固定ではなくプレイヤーが全方向に操作可能なスタイルで、どこに何があるのか把握しやすいです。

ミッション上の仕掛けやパズルは、今回の『デビル メイ クライ 5』では必要最低限しかない……というよりもパズル的な要素はほぼカットされています。マップ上で移動できない場所があれば、別の場所から移動できるようにするためのアイテムを持ってくるとか(または邪魔な障害物を破壊するとか)、その程度に抑えられています。

このあたり、スピーディなバトルが魅力のシリーズなので、無駄にスローテンポとなる要素が無くなったのはプラス材料ですね。パズルで無駄に足止め食らって、ストーリーを進める意欲が削がれることもありませんし、結果として次のバトルへの熱が冷めにくくなりました。

まあそうなると、こんな寄生生物を使って根を腐らせずとも、飛び抜けた身体能力を持つネロやダンテなら、意地でもそこを通ろうとせずとも脇から余裕で先へ進めるんじゃないの?と疑問に思ってもしまうわけですが。

多様すぎる攻撃を組み立てる楽しさ

既に何度か触れましたが、『デビル メイ クライ 5』は各キャラクターとも非常に多様な技が用意されています。ネロは通常の技だけでなく、デビルブレイカーごとに技が異なりますし、ダンテはソードマスターやガンスリンガーなどスタイルの切り替えだけでなく、魔神化の有無や利用する武器によっても(しかも遠距離攻撃用と接近戦用それぞれに装備変更可能)繰り出す技が変わってくるという、なんとも全体像を把握しきれない多種多様な技の数々です。

これらの技を組み立てて、それぞれの敵に応じたスタイリッシュな攻撃方法を模索するところもまた、本作の大きな魅力の1つですね。

技はレッドオーブによって開放しなければ使えないものも多いので、より多くの技を幅広く連携して戦えるように、1周目だけでなく2周目、3周目と1本のゲームを長くやりこむ楽しさにも繋がっていきます。

逆に言ってしまえば、この辺の技の多さが初心者お断りの雰囲気を醸し出す部分かもしれません。しかし多様な攻撃方法からプレイヤーごとの戦い方を組み立てていくのがDMCの大きな楽しさの1つなので、ここは仕方のないところでしょう。

どうせ1周目でスキルの全貌を把握するのは無理な話なので、分かるところから一歩ずつ前進すればオッケーです。

攻撃方法が多彩なぶん、DMC5ではボス戦の攻略方法もプレイヤーによってかなり異なる印象です。Youtubeなどに挙がっているプレイ動画を観る限りでも「あのボスにあの技って効くのか」とか「そんな倒し方があるのか」など、攻略の幅の広さに驚かされます。

そして戦闘時のレスポンスの良さ、プレイヤーの操作に対する画面内キャラクターの反応の良さも、多種多様な技から自分なりの戦い方を組み上げる楽しさを補強する大事な要素として機能しています。動作が重くなったり、コントローラーの操作からプレイヤーキャラが動き出すまでのラグが生じることがほぼ皆無なので、ザコ戦もボス戦も非常に直感的に操作を楽しむことができます。

あと地味にテンポの良さに貢献しているのが、体力回復アイテムが「無い」ことですね。ボス戦などでは戦っている最中に落ちているグリーンオーブで体力を回復する流れになるため、メニュー画面を開いて操作が分断される弊害がありません。

他に、本作では魔界化の進む街が舞台となるため、眼前に広がる風景の変化などはあまり有りません。この点は他のゲームなら単調さを感じてしまう大きなデメリットとなりかねませんが、DMC5の場合は戦闘のテンポ良さ、楽しさがずば抜けているため、もはやそんな短所はは大した問題ではなくなってしまいます。敵キャラだって大して種類が多いわけではありませんが、DMC5ではそれもほとんど気になりません。

キャラほぼ総出演、毎度ニコの登場シーンは派手

今回の『デビル メイ クライ 5』では、これまでのシリーズに登場したキャラクターが多く登場します。どのキャラも個性が強くて魅力的ですが、残念ながらトリッシュとレディに関してはラスボスの凶悪さを引き立たせる役割を担わされているぶん、活躍の場がほとんどありません。なんだかドラゴンボールの天津飯やヤムチャを彷彿とさせるような……。

その代わり、なのかは分かりませんが、女性キャラで一人気を吐いているのが新キャラのニコです。悪魔と直接戦うことはありませんが、とりわけネロのサポート役・相棒として作品通して大いに活躍、いやホントいいキャラしてて存在感があります。男性陣もタジタジの感。

ミッション途中で公衆電話からニコに1本連絡を入れれば、

そこがどんな場所であろうとデビルブレイカーのストックごと車で何処から勢いよく現れます。何度も経験しているうちに、公衆電話を見るだけでにやけてしまうほど。

表情もくるくると変わり、ネロやダンテのように特殊能力を持っているわけでもないのに強気の姿勢を崩さないところも魅力的ですね。

やっぱこのノリこそデビルメイクライ!

ストーリーに関しては、前作までの流れを知らないと楽しめない展開などが多々あります。が、そもそもDMCのメインストーリーは深みのあるものではなく本当に単純なアレなので(ネタばれしないようぼかします)、関係性があまり理解できずとも「そんなもんかな」くらいで進めてしまっても大きな不満には繋がらないかと思います。

もし、前作までのストーリーの流れやキャラクター同士の関係をある程度押さえてからプレイしたいなら、1から4までを予めプレイしておく……というのがベストだとしても、さすがに面倒。そんなときは、メニューから前作までのあらすじをザックリと復習することができますし、公式のノベライズ本を読んでおけば誰と誰がどんな関係や因縁があって、何のために動いているのか把握した状態からゲームを始めることもできます。

DMCシリーズ未プレイの人にもオススメ!『Devil May Cry 5 - Before the Nightmare -』
『Devil May Cry 5 - Before the Nightmare -』は角川スニーカー文庫から刊行された『デビルメイクライ 5 』ゲーム本編の前日譚となる小説です。 魔剣教団事件から数年――。キリエと共に暮らしていたネロの前...

むしろDMCといえば、この世界が滅ぶ瀬戸際の危機に直面しても、どんなに強い悪魔と対峙しても、軽口を叩いて強気なデビルハンターたちのノリが楽しめればオッケー。

作品全体、画面から受ける重いイメージとは裏腹に、随所にパロディを含めて笑わせてくれる要素が散りばめられています。そういえばDMCシリーズは奇数タイトルが躁、偶数タイトルが鬱などと言われていたこともありましたね。それに当てはめるとしても今回の5は奇数タイトルなので、なかなかの躁な演出です。

目立つ欠点はカスタマイズ時のロード

もし『デビル メイ クライ 5』の欠点を上げるとすれば、それはカスタマイズ画面へ移行する前後でのロード時間でしょう。

ミッションを開始する際、レッドオーブでスキルを増やしたりネロの場合はデビルブレイカーを追加購入して装備したり、カスタマイズ画面への移行が欠かせません。

にもかかわらず、カスタマイズ画面へ移動する際にそこそこのロード時間がかかり、カスタマイズ完了後にメニューへ戻るときにもそこそこのロード時間がかかるため、どうしても各ミッション始めるたびに待たされ感が募ってしまいます。

個別のロード時間が長いというよりも、ロードの入るタイミングがなんともテンポを削ぐところで発生してしまうため、より気になってしまうのが残念。

まあ一度ミッションを開始してしまえば、エリアを移動するごとにロードが入って進行が止まるとか、ボスが出現するときにロードが入ってテンポが悪くなることもないので、最低限のローディングをここで行う必要があったとすれば仕方ない点かもしれませんが。

あとロード時間の他にもう1点あえて触れるなら、オンライン対応したシェアードシングルプレイについては、ごく一部のミッションのごく一部のフロアを除けば、オフラインのソロプレイとほとんど変わるところがなかったような印象を抱きました。ここはちょっともったいなかったかな。もうちょっと、プレイ中に他の上手なプレイヤーの神業とかを拝めたら、プレイの参考にできたのですが。

2周目以降も楽しさアップ

最初から選べるHUMANとDEVIL HUNTER。どちらの難易度でクリアしたにしても、それを1つ上げて挑む2周目からが『デビル メイ クライ 5』の本番といってもよいですね(ちなみに難易度は、DEVIL HUNTERの上になんと4つも用意されてます)。2周目ならミッション0スタート時点からある程度のスキルが既に開放され使える状態にいたってますし、なによりプレイヤーの操作スキルも1周目でそこそこ向上しているため、より幅広いスキルを活用して強敵をなぎ倒していく達成感を味わうことができます。

また、1周目はストーリーの先が気になるなどして戦闘のスタイリッシュさよりもクリアできることを優先してしまいがちですが、2周目ならザコ敵であっても1つの戦いごとにスタイリッシュランクを上げ、その結果としてのミッションのリザルトを上げる楽しみも十分堪能できます。

6つの難易度の全てのミッションで「S」評価をゲットする強者プレイヤーも多いようですね……私には到底無理ですが。

ランクアップと同様、1周目では見逃してしまったシークレットミッションも、各エリアじっくり探して挑戦することもできますね。

さらに本作は、2019年4月1日からブラッディパレスという全101ステージを縦走していく追加要素も配信予定。仮に最高難易度でクリアしてしまっても、まだまだ遊び続けることができてしまいます。

シリーズ最新作として完成度の高い作品

以上、シリーズ集大成として(斬新さはそれほど持たないにしても)非常にまとまっており完成度の高い作品としてリリースされた本作。シリーズの新作を待ちわびていた以前からのファンだけでなく、本作でDMCシリーズを初めて経験する新しいプレイヤーも十分に楽しめるタイトルです。

さあ、あとは何が望みでしょう。シリーズ的には今回の5でいったん収束した感があります。もしシリーズの新作が今後リリースされるなら、ここまでの登場人物はすべてレジェンド扱いで追いやってしまい、システム面もストーリー-面も今の時代にすべて構築しなおした、新しいダークなDMCを見てみたい気も。なんだかノリノリの今のカプコンなら、そんな新しいチャレンジでも驚かせてくれるのではないかと大いに期待してしまいます。